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登場、持ち運べるZ9「ニコン Z8」

ニコンから新型カメラである「Z8」が発表された。
数年前までニコン機で映像制作なんて考えられなかったが、2021年末に発売されたハイエンド機「Z9」によってその状況は一変、動画でRAW(外部レコーダーを使用しない内部収録のN-RAW)撮影、それも最大で8.3K60pで撮影ができてしまうということもあり、Z9は僕が認識する限りでは記事執筆時点で民生機としては最高性能の映像制作用カメラとなっている。

キヤノンのEOS R5やR5 CでもそのRAW撮影はできるもののLite版ということもあり、厳密にはニコンのシステムと同等レベルとは言えない。ニコン機はシャッター音が好き(個人的にはメカニカルシャッターレスになったZ9やZ8の残念ポイントがこのシャッター部)で画質もいい、質実剛健を地で行くようなこの企業が気に入ってはいたものの高価すぎるZ9以外では映像制作に使いたいと思える機種のなかっただけに今回のZ8の登場は嬉しいサプライズだった。

30%もコンパクトになって性能はほぼそのままな「ミニZ9」

Z8のグッドポイントはシンプルに「サイズは小さく重量は軽くしたZ9」というところで、ニコンが発表する限りではほぼ同等の性能を持っているということのようだ。

果たして排熱処理も同等かは発売後のレビューを確認するまで分からないが、Z9がモンスター級に高性能な映像制作用カメラであるので、それをどこへでも持ち運べるまでの筐体に凝縮したZ8に注目が集まるのは想像に難くない、きっとすぐに入手困難となってしまうに違いない。

細かな仕様に関しては公式サイトや各種情報サイトで追求されているため省略するが、余程つぶさに見ていかないと本当にZ9と同等。
とはいえ、細部を見ていくとZ9よりも進化した機能はあるようで航空機の撮影に適したオートフォーカス機能などがあるようだ(申し訳ないがこの手の機能には関心がない。ついでにZ8のスチル性能にも関心がない、画質が最優先だがそれならすでに所有しているGFX100Sが確実に上だから…)。

欠点は尖りすぎた撮影性能

このカメラについて色々と調べていくうちに大きな欠点を発見してしまった、あくまでも「僕にとっての」欠点ではあるもののこのカメラ、悲しいことにHEVC 10bit 4:2:2での収録に対応していない…対応しているのはあくまでも4:2:0。ProRes 422もHQにしか対応していない上にどうやら8K収録に利用することはできない仕様らしく、画質と長時間の収録を前提としている僕の目的からは少し外れている。
画質に関するピーク性能は当然大事だが、Z8はそのピーク性能が突出している代わりに4K〜8Kの中間以上のクオリティーと保存容量のバランスを重視するユーザー(僕のように8KでHEVC 10bit 4:2:2収録をしたい人)のニーズを汲み取れてはいないように思える。Z9のこれまでのファームウェアアップデートの履歴を確認する限りでは将来的にこの収録モードに対応する希望は持てない…「実は予約開始日にしっかり予約してたけどやっぱり不要かも」なんて思い始めている。

余談だが、少し気になって8KのProRes 422 HQと8.3KのN-RAW(N-RAWに設定すると解像度を8Kにできないため)のビットレートを確認してみると、驚いたことにProRes 422 HQの方がビットレートが髙いということが判明。なるほど、だからこそ8K収録にはProRes 422 HQが利用できないのか。

そんなN-RAWだが、Blackmagic RAWのように高画質かつ少ないデータサイズ、低い再生負荷で済むRAWなら問答無用で買うのに、なぜこうも尖った機種を出してきたのかニコンは…。

最後に、記事では書くスペースがなかったため触れなかったがこのカメラ、一応ProRes RAWでも収録可能。ただ、それで収録してもDaVinci Resolveユーザーな僕としては読み込みすらできないのでスルー。
ついでにこのRAWはN-RAWよりもデータサイズが巨大でもうハンドリングしようとも思えない。

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