”オンラインコミュニティーStep2”

映像制作マシンとしてのMacBook Pro


突然だが、現在MacBook Proの購入を考えている。
先日、YouTubeでiPhone XSをプレゼントするなんていう散財をしてしまったばかりだが、今月はそれ以上に物入りになってしまいそうだと考えていた矢先での思いつき・・・弁明も兼ねて映像制作全般を見据えた際のMac購入を再考する意味でも自分なりのベストな選択肢を探っていく。

購入から5年を経過しようとするMac Pro

最初に思いつきと書いたが、もちろん本当に突然思いついたということではなく、現状Mac Pro 2013しか制作マシンがない環境が良くないということは1年ほど前から考えていた。

メインマシンがMac Proしかない・・・ということは、もしそのMac Proが不動になってしまったらその時点で業務も止まってしまうということだ。BTOでカスタマイズしたMac Pro(購入時に12コア/D700/512GB。購入後に64GBメモリへ換装)は今でも不満なく使えているし特に不調なく動作してはいるものの、さすがに購入してから5年近くが経とうとしている今、故障リスクが無視できないレベルにまで高まっていることは事実。さすがにサブマシン(ノート型)くらいはもっておいた方がいいのは間違いない。

Mac Pro 2013

発売からもう5年が経過しようとしているMac Pro。フラッグシップ機をここまで長期間放置するというのは前代未聞の出来事ではないだろうか。

前提条件

一応、現在の状況と前提条件を説明しておく。

まずはじめに、現在個人事業主として活動しているが近々法人化を目指しているという現実がある。法人化した場合、事務所を都内に設ける予定ではあるものの、当初は全ての作業をそこで行うことはできず今の作業場と行き来することが増えると予想される。そのことと前述したMac Proの件が重なりハイパワーなノート型Macを必要としている。

そのマシンで行う予定の作業としては文章作成やグラフィック制作などの軽い処理に始まり、ProResかDNG RAWを素材としてPremiere ProやAfter Effects、そしてDaVinci Resolveなどを利用した映像制作、それも主に4Kサイズでの制作も含まれていて、もしノート型Macを購入するとなった場合、最低でもこれらの作業はこなせなければならない。

快適すぎるiPad Pro

サブマシンは必要とは認識しつつも購入していないのには理由がある。
僕の普段の作業は映像制作の他にwebサイトや紙媒体のグラフィックを製作することだが、その作業のほぼ全てをカバーできてしまうiPad Proの存在が中途半端なサブマシン購入に歯止めをかけているのだ。

ハードウェア面で見ればApple Pencil、ソフトウェア面で見ればAffinity PhotoやAffinity Designer、そしてNoteshelf 2などといった優秀なアプリがあるおかげでiPad Proは制作業務で十二分に闘える状態に仕上がっている。

性能面では下手なノート型Mac以上の性能にストレージは思い切った512GB仕様ということもあって「映像制作業務以外では」最高のモバイル環境だと考えているが、この考えがあるせいで「ヘタにMacBookを買ってもどうせ使わない」となってしまっているのだ。

サブマシンに求めるのは「高いGPU性能」

最高の性能とアプリケーションを備えたiPad Pro。常日頃持ち歩き、どこでも作業に没頭できるのはとても気に入っている。ただし、映像制作だけは話は別で、iPad ProにはDaVinci ResolverやAfter Effects、Premiere Proがインストールできない。それらがないことにはiPad Proで映像制作までをカバーすることができない以上、iPad Proがサブマシンになることはあり得ない。

ここでようやく話が最初に戻ってくるわけだが、じゃあ現行のラインナップからどれを選ぶのかというと個人的にはMacBook Pro 15インチモデルとなる。

ここで重視しているのは広い作業スペース、CPU性能以上にGPU性能だ。

未だにGPUをゲームのためのモノだと思っている人がいるようだが、実際にはゲームだけではなく普段の作業から映像制作まで幅広く活躍してくれる重要なパーツで、単純な性能でいえば(処理によって得手不得手はあるものの)CPUよりも遥かに高性能だ。
特に最近ではGPGPUの流れもあり映像制作ではCPU以上に重要視され始めているし、少なくとも僕自身は性能向上カーブが緩やかになってしまったCPUはそれほど重要ではなく、 GPUこそ最も注目すべきパーツだと考えている。

単なる処理性能の他にメモリ容量やシェーダーユニット(SU)の数。ここらへんが自分的注目ポイントになっていて、ここが要件を満たしていないとどんなに良くできたマシンでもiPad Proには敵わない。そして、その要件を満たすためには最低限「ディスクリートGPU搭載」でなければいけないのだ。統合型GPUではその性能に大きく依存しているDaVinci Resolveが満足に動くこともなく、必要なエフェクト(Neatvideoなど)をかけることすらできない。さらにいえばDaVinci Resolveが動かないということはその中にあるFusionも使えないということだ。必然的に要件を満たすマシンは限られるし価格も相応に高くはなるが、普段使いには困らないけどコアとなる業務をこなすことはできない・・・そんなマシンであれば必要ないのである。

いざBTO画面へ

そんなワケで、早速Appleのサイトで今の自分に必要だと思われるMacBook Proをチェックしてみる。15インチモデルにある2つのベースモデルのうち、安価なものをチョイスしBTO画面へ。いくつかの項目をカスタマイズした結果、以下のような構成となった。

MacBook ProのBTO画面。ポイントはCPUの優先度は低く、GPUとメモリの優先順位高くしてあるところ。ストレージは容量によって性能差がある場合があるがそれほど気にせずてチョイスすればいい。

MacBook ProのBTO画面。ポイントはCPUの優先度は低く、GPUとメモリの優先順位高くしてあるところ。ストレージは容量によって性能差がある場合があるがそれほど気にせずてチョイスすればいい。

正直CPUは6コアであれば動作周波数はどうでもよくて2.2Ghzもあれば十分だ。1つ上のクラスになる2.6GhzモデルにしたとしてもGeekbenchを見る限りではその性能差は誤差の範囲程度、高い金額を払ってまでグレードを上げる必要性は感じない。
それにしても、2.6Ghzモデルは2.2Ghzモデルと比べて0.4Ghzの開きがあるにも関わらずスコア上ではほとんど優位な差が見られないのはTurbo Boostのせいなのだろうか、気になるところだ。

画面はシングルスレッドでのスコア。Geekbenchで見ると2.2Ghzと2.6Ghzでは数字ほどの性能差はない。

画面はシングルスレッドでのスコア。Geekbenchで見ると2.2Ghzと2.6Ghzでは数字ほどの性能差はない。

マルチスレッドでのスコア。0.4Ghz分の差は感じられない。

マルチスレッドでのスコア。0.4Ghz分の差は感じられない。

逆に上位モデルにすることで増大すると考えられる発熱量に関しては、元々ノート型が好きではない(パームレストから伝わる熱が苦手)自分からしてみれば大きなマイナスポイントとなる。

さて、メモリ容量に関してだが少し思うところがあるためここで少し説明をさせてもらいたい。
これまで長い間16GBの壁を越えられなかった(越えなかった)Appleだが、この2018モデルでようやくメモリの最大搭載量が32GBとなり喜んでいるユーザーは多いと思う。
この点に関しては僕にとっても嬉しいニュースとなるわけでだが、After EffectsやDaVinci Resolve(に内蔵されているFusion)を利用するに当たってはその容量ですら全く足りていないということは付け加えておく。

4Kの映像をカット編集するだけなら32GBどころか16GBでもイケるが、モーショングラフィックを扱おうとすると話は違ってくるという話ではあるが、64GBのメモリを搭載するMac Proを利用している僕からするとノート型でも64GBは扱えないと苦しい場面は多いと思う。最近のフラッシュストレージの転送速度があれば多少メモリをスワップさせたとしても体感的な速度低下は感じにくくなってきてはいるが、スワップが多発すると今度はフラッシュストレージの書き込み回数が心配になってくる。大容量のストレージであればTBW(Total Bytes Writen = 総書き込み容量)が高くなる傾向があるのでそれほど気にすることもないかもしれないが、予算に限りがある以上ここらへんのバランスにはきちんと留意しておくのに越したことはない。

2018年度版、マイベストMacBook Proのお値段は

ここまで各パーツとそのポイントについて説明してきたが、以上のような構成であれば335,800円(税別)で購入可能となっている。税込だと約36万円といったところか、これがメインマシンとしてであれば激安と喜んで購入するが、わざわざサブマシンに注ぎ込む金額だと考えるとかなり悩ましい金額だ。

先を見れば次期Mac Proも登場しそうな気がしないでもない・・・長々と書き連ねてきた本稿だが、ここまで書いてきて辿り着いた結論は本当にAppleという会社は罪作りだということだけだった、自分が情けない。

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