日々の映像制作業務をクラウドサービスを介したコラボレーションワークフロー(共同作業)によってこなしているDaVinci Resolveユーザーが喜ぶニュースが飛び込んできた。
Blackmagic Designが販売しているネットワークストレージ「Blackmagic Cloud Store(以下Cloud Store)」が大幅な値引きを行い従来の価格から大幅に値下がり(最下位モデルであるCloud Podは値下げ対象外)。
その具体的な価格は以下の通り。
- Cloud Store Mini 8TB ¥380,800 → ¥271,800
- Cloud Store 20TB ¥1,228,000 → ¥933,800
- Cloud Store 80TB ¥3,718,000 → ¥2,588,000
と、最低でも10万円以上の値下げとなる。ブラマジ製品ではたびたびあることではあるが値下げの幅が他社のそれとは次元が違う。
購入することによって得られるメリットをどう伝えるかが課題か
今後のアップデートによってCloud StorageサービスとCloud Storeシリーズの親和性が高まっていくそうで、お互いを相互に連携させた機能も提供されるとのこと。今後も進化の余地が大きい製品・サービスなのは間違いないものの、気になるのはそのメリットがどれほどのものなのかがユーザーには伝わりづらいというところだろう。
自慢じゃないが僕はブラマジが訴えているこの製品の本当のメリットというものを知らないでいる(多分)。現につい2ヶ月ほど前にSynology製の巨大なNASを購入したばかりだが、これは「Blackmagic Cloudを利用する時、わざわざGoogle DriveやDropboxなんかを使わなくても、なんならこのCloud Storeを買わなくてもNASがあれば同じようなことが実現できる」というアドバイスをもらったためだ。
Cloud Storeがオールフラッシュストレージの超高性能なネットワークストレージというのは理解してはいるものの、その有り余る超高速なデータ転送能力が僕の作業環境ではまったく活かせない(同じネットワーク内に5人くらいいて、全員が4K以上の映像編集を同時にやっても余裕でこなせるほど爆速)ことやネットワークが10GbEにしか対応していないこと、容量に対して価格が高すぎるなどといったネガティブな理由により上述したSynology製のNASを購入したワケだ。
Cloud Storeがマッチするワークフローや環境は存在するだろうが、性能の差こそあれ一般のNASでも同様のことができるとなれば「Cloud Storeだからこそできる」ことをブラマジはもっと訴求していくべきだろう(あるのか?)。
手前味噌な話とはなるが実はこの金額や利便性に関する話題はDaVinci Resolve認定トレーナーとブラマジスタッフとの間では過去に1,2度話題になっており、そのたびに享受できるメリットが分かりにくいことと、そのコストが見合うとは思えない…つまり「高価すぎる」といった意見を伝えていた。
それが影響したとはまったく思わないが、今回の値下げの理由はこのプロダクトが世界的に売れていないということにあるのだろう。
Cloud Storeシリーズは魅力的な製品なのだろうが、もし本当に売れていないのだとしたら製品を利用することによって享受できるメリットをユーザーに訴求できていないブラマジ自身に問題があると(うっすら)考えている。
というのも実はこの製品、僕だけでなく熟練の認定トレーナー間でもそのメリットがあまり知られていないほど「モヤッ」とした製品で、「確実にメリットはあるはずだけど、具体的に現状のフローをどの程度改善できるのかが測定できない・しづらい」といった状況なのだ。
僕個人としては今後のソフトウェアアップデートを重ねて進化していくであろうソリューションに期待してはいるものの、まずは今ある機能を実際に試せる範囲で確認していこうと思っている。
幸い、ほとんど使わずに作業部屋に転がっているCloud Podがある。コイツで少しづつテストを重ねていくことでその優位性を確認していくしかないかな…ブラマジ本社に行ってレクチャー受けるのもアリか。
グラフィック制作・PVやYouTube用の映像制作をやりつつ、YouTubeでのチャンネル運営サポートやコンサルティング、勉強会といったことを扱ってます。
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