購入したばかりのiPhone XS(以下XS)。その開封とファーストインプレッションに関しては先日お届けしたけども、今回はそこからさらに踏み込んだ、いわゆる詳細レビューをしていく。
単純なスペックの紹介だけにとどまらず、話題の新機能を搭載したカメラ機能に性能。そして、YMRchannelにしては珍しくゲームに関するパフォーマンスについても言及している。
単純な「性能」はほんのりUP。目玉は超強化されたニューラルエンジン。
さて、個人的に考えるiPhoneXSの最大のポイントは「ニューラルエンジンの強化」と「カメラ性能・機能の強化」だと考えている。
スペック的にはGeekbenchを見る限りでは前世代のiPhone X(以下X)とさほど性能の変わらないXS。
省電力性能は向上したもののパッと見大きな性能を果たしたようには見えないA12 Bionicチップだが、この結果だけを見てXSの性能が高くないと考えるのは早計だ。
スペックと一言で言っても実際には様々な要因が絡む話なので一概には言えないが、GPU性能とニューラルエンジンの処理性能の向上は凄まじく、ニューラルエンジンにいたってはCore MLの動作速度が最大9倍高速になるという大幅な性能向上を果たしている。
この2点の強化ポイントは日々iPhoneを使ってゲームを楽しむユーザーだったり、写真撮影のためにカメラ性能を重視するユーザーに大きな恩恵を与えてくれる。
強力なゲーミング性能、圧倒的なニューラルエンジンの効果
先に GPU性能の向上が凄まじいと書いたが、Appleの発表した情報ではA11 Bionictippu と比較して最大50%高速となっている。GPUが高速になってもゲーム以外には恩恵がないと考えてはいけない。一昔前のWindows機ならともかく、現在のコンピューティングの潮流はCPUではなくGPUだ。そのGPUを単なる画面の描画などに使うのではなく、もっと多くの用途で利用するGPGPUとして活用しているのがMac OSでありiOS(そしてそれに準ずるサードパーティー製のアプリ群)なのだ。
高速なGPUになるということはタップや画面のスクロールといった普段の動作全般が高速化するということであり、その効果・重要性はCPUの比ではない。
もちろん、XSのゲーミングパフォーマンスは非常に高く、6sだと開始早々に本体の温度が上昇してしまうようなゲームでもXSならそれほど熱も気にならず、さらにはより高画質、より滑らかな動きで楽しめてしまうので快適なゲームプレイを主目的とした買い替えの対象としてもXSはオススメだ。
カメラ性能は順当、もしくはそれ以上の進化
実は今回1番驚いた進化はカメラ性能(機能)の向上だった。日頃趣味と業務の両方でデジタル一眼レフを使用している(今は使ってるカメラの不調により撮影活動が停滞中)僕から見ても魅力のある内容になっている。
いつも真っ先にiPhoneを分解しているので有名なiFixitの分解レポートによると、XSのリアカメラにある広角レンズ側の撮像素子はこれまでのものよりも32%ほども大型化しているということだ。
絶対とは言わないが、基本的には同じ画素数なら撮像素子は大きければ大きいほど高画質になるわけで、これだけでも胸を熱くするカメラギークがいるくらいだ。
それに加えて、先に述べたニューラルエンジンのパワーを利用したポートレートモードと撮影後に行うことのできる被写界深度調整機能の出来が思いの外良く、普段の何気ない写真をいつでも一眼レフライクに出来てしまうことに軽い興奮を覚えてしまっている。
もちろん、だからといってこの機能が万能ということはなく、被写体との距離に大きな制約ができてしまう(あまり近くに寄れない)ことや、被写体よりも後ろの風景に関しては綺麗にボケてくれるものの、被写体よりも前にある風景に関しては認識が甘いのか、ボケるのではなく被写体と同一の処理になってしまったりする(=ボケない)ので時と場所を選ぶ機能ではある。
いかがだっただろうか、動画の中では他にも音質やFace IDの速度と正確性についての言及など、ここに書いていないことのいくつかが含まれているのでもう少し詳しい説明が必要だと思われた方は是非動画の方も参照してほしい。
正直、今回XSが手元に届く前までは過度な大型化による操作性の低下を懸念していたが、実際手元に届いたXSは思ったほどのサイズと重量ではなく画面の大きさも何とか許容範囲内だった。そして、超高速な動作速度、さらには想像以上のカメラ性能もあり、現時点で最高峰ともいえる写真画質と映像品質を実現しているAppleに対しては「さすがのApple」と思わざるを得ない。
終わりに、動画内でリフレッシュレートが120Hzと話しているくだりがあるがそれは間違いで、120Hzになったのはタッチサンプルレートだ。この強化点に関しては使用して1週間が経過しているが、まだその性能向上を実感できていないということを付け加えておく。
グラフィック制作・PVやYouTube用の映像制作をやりつつ、YouTubeでのチャンネル運営サポートやコンサルティング、勉強会といったことを扱ってます。
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