超が付くほど高機能なDaVinci Resolveだが、その中でも最も高機能かつ難解な機能がFusion。
類似する機能を持つソフトはアドビのAfter Effectsだが、そのAfter Effectsユーザーでも最初は面食らうこと間違いなしのFusionはVFXツールにありがちな「メモリ大食いツール」だ。
それとは逆に、DaVinci Resolve自体はメモリをほとんど必要としない作りになっていて、Blackmagicが「GPUさえ強力なモノを積んでいればメモリ8GBのシステムでも8K60Pのクリップをリアルタイムに再生できる」と発言するほどメモリの重要性は低いのに、ことFusionの機能だけは盛大にメモリを消費してしまう。
今回はそんな困った特製を持つFusionを極力快適に利用するための便利な使い方を紹介する。
メモリを解放してFusionを快適に利用する
単純な編集やカラコレであればメモリの必要性は薄いDaVinci Resolveだが、Fusionでの作業が多くなってくるとそれに比例するカタチでメモリの重要性が増してくる。
感覚的には4Kのプロジェクトでモーショングラフィックやコンポジットを多用するのであればメモリは最低で32GBは必要で、可能であれば128GBくらいあると随分楽になるんじゃないかといった具合だ。
64GB以上のメモリを積んだマシン環境をお持ちの方であれば盛大にメモリを消費しつつ快適な制作活動に勤しむこともできるだろうが、世の中そんな環境を持っている人間は多くないので「メモリの消費量がひっ迫してきたらその都度メモリを解放して使う」といった小技が必須になる。
現在のPCやMacのほとんどはストレージがSSDに切り替っているためそこまでメモリの重要性に気付く機会は多くないが、HDD搭載マシンが全盛の頃はメモリがひっ迫した時の速度低下がとにかくヒドく、低容量のメモリしか搭載していないマシンでの生産性は今ほど高くなかった。
そんな時代からAfter EffectsやFusionでずっと重宝されてきた小技が「キャッシュの開放(Purge Cache)」だ。
キャッシュを開放するとメモリに溜め込んだ多くのデータを放出、一気にメモリの使用量を低下させることができる。
注意点としては、キャッシュは通常様々な処理を溜め込むことで再生パフォーマンスを向上させるために使われるものなので、これを開放するということは再生パフォーマンスを低下させるというトレードオフが発生してしまう。このような理由によりいくら便利な小技だからといって無闇に多用するのは好ましくない。
キャッシュの開放をするには画面右下にある数字を右クリック、表示される選択肢の中から「Purge Cache」を選択するだけだ。
キャッシュが開放される度合いというか、利き具合はシチュエーションによって異なるので確実な効果を約束することはできないが、余程のことでもない限りは効果抜群、この手法を使えば16GB程度のメモリしか積んでいないマシンでも「それなりに」Fusionを使った映像制作を楽しめるはずだ。
Fusionの基本から応用テクニックまでを網羅した動画教材「Fusion基本マスターコース」の中ではその他にも様々なテクニックについてのレクチャーを収録しているので、もしよかったらそちらもチェックしてもらえればと思う。
『Fusion基本マスターコース』紹介ページ
https://kyokuti-creator-school.teachable.com/p/davinciresolve_fusion_bmc
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