稼げる・稼げない? 「副業としての動画編集」を考える | コラム

ちょっと思うことをちょっと考えてみる。

「動画編集」というスキルを多くの人が認知しだしたのはコロナ禍に入る少し前くらいからだろうか、そこらへんからYouTuberがクラウドソーシングを利用して動画編集を外注し出すケースが目立ち始めたのをキッカケとしている気がしている。

今回はそんな動画編集で今どれくらい稼げて将来どれくらい稼げるようになるのかということを以下の点を前提としてボンヤリ考えてみた。

  • 本業ではなく「副業」
  • 力量は将来も変化しない
  • 一般的なYouTubeコンテンツ制作がメイン

無難な単価は5千円?

記事を書くために久々にクラウドワークスを覗いてみたらYouTube用コンテンツの動画編集案件というのは本当に沢山ある。

あまりにも多すぎていくらでも案件は取れそうに見えるが、いくつか見ていくと大体5,000円程度が1案件あたりの単価としては高単価な部類に入るようだ。
中には1,800円で高単価と謳う案件もあるが、内容を見ていくとどう見ても割に合わないものであったりするので案件の難易度も玉石混交といった印象を受ける(とはいえ、たまさんの知人は170円ほどの案件を必死にこなしていたこともあるとか…ここまでくると感覚的にはもう国が違ってしまっている)。

ここらへんは案件や人にもよるので絶対とはいえないが、僕の経験からいうと10分程度の動画を納品まで持っていくには大体5,6時間はかかるハズなので、副業でバリバリやっても2日に1本納品できれば御の字。ということは案件が上手い具合に入ってきて1ヶ月全力で稼働したとすると稼げる金額は75,000円(ここから運営側がいくらかの費用が差し引かれるので実際はもう少し減ることになる)。

これだけ聞けば副業としては大金だが、さすがにプライベートは少しは欲しいと仮定して稼働率を半分、金額も半分の37,500円とする。
この金額あたりが現在最も層の厚いレンジなんじゃないだろうかということで、ここはひとつこの37,500円を現在のベースとする。

将来的な単価の変動要因を考える

さて、ベースを決めたところで将来的な単価について考えてみる。

単価を変動させる要素はたくさんあるが、ここは「編集ソフトの進化」という観点のみで考えてみたい。
オリンピックが終わったあとの経済が右肩上がりに回復するとはとても思えない(むしろ右肩下がりになるんじゃ…)ので動画編集者の分母が増える、結果として単価は下がると思ってはいるものの、専門家でも分からないであろうことを僕が考えてもしょうがないので変動要因には含めないものとする。

動画編集ソフトの進化、我らがDaVinci ResolveがあればFinal Cut Pro、Premiere ProにFilmora、中にはAviUtilを利用する猛者もいるようなのでそこらへんも。

単価に影響するであろうYouTuber向けの機能として真っ先に思い浮かぶのは、先日アップデートされたPremiereに搭載された「自動文字起こし機能」。現状だと使い勝手に少し難があるという声は聞くものの、それも時間の経過と共に改善されていくと考えるとテロップの作成で発生する費用が下がる(=手間が減る)と見て間違いない。

国内でYouTubeのコンテンツをよく観る人というのはこのテロップをえらく好むようで、音声をオフにしてテロップだけで楽しむ人もそれなりの割合でいるというのは国内で行われている各種調査で分かっている。
そんな背景もあり、今では「フルテロップ」なんていうコンテンツも増えてきているようで、この手の案件だとその手間賃が多分に制作費に含まれているハズだ。

このようにフルテロップ案件などは今回のPremiereの自動文字起こし機能の搭載によって将来的な単価の下落が容易に予測できる状態になってしまった。
これに類似するようなお手軽便利機能はハイエンドな編集ソフトであるDaVinci Resolveだと搭載する可能性がとても低く、Final Cut ProがM1 Mac限定のAI活用機能として出してくる可能性は逆にとても高いと考えている。
かろうじてDaVinci Resolveには無音のシーンを検出する機能「ボーリングディテクター」が搭載されているので、これをうまく活用すれば編集時間を短縮はできるものの、総じて「単純作業の多い編集時間」は短くなっていくのは各社一緒のハズで、単価の上昇圧力はそこにはない。

単価が下がる要因はあっても上がる要因はゼロ。となれば…

単価の上昇圧力がないということは、下がる可能性はあっても上がる可能性は(ほぼ)ゼロだということだ。
編集時間が減れば少ない時間で稼げるからイイじゃないかと思われる方もいるかもしれないが業界はそんなに甘くない、編集時間が短くなればなるほど、ハードルが下がるほど単価も下がるというのはDTPやweb業界の歴史が証明している。

つまり、副業としての収益は将来的には下がり、うま味は減っていく。
それを防ぐというのであれば(前提を無視して)センスを磨くという選択肢があるものの、余程のセンスがなければそれが単価に繋がることはあまりないため確実ではない。

それじゃあスキルは? After EffectsやFusion、カラコレスキルを多少磨くことができれば多少は単価が上がる…ことも当然あるだろうが、それであればステップを上げてYouTuberライクなコンテンツ制作などせず(するとしてもOP作成などの高単価な案件狙い)アニメーション系やPV系の案件を取る方向に舵を切った方が遥かに現実的だ。

う〜ん、ダラダラと書いてはきたものの当り前の結末しか思い浮かばない。
言えるのは、小遣い稼ぎ感覚で動画編集をやっている人間にはどんどん厳しくなっていくということと、それでも案件は山ほどあるだろうってことくらいか…。

ということで、単純な動画編集の単価だと将来的には現在の3割減くらいになるのかなと考えているワケであります。

フォローお願いします

映像制作やYouTube、動画マーケティングなどに関する情報を配信中。

0 0 votes
Article Rating
Subscribe
Notify of
guest
0 Comments
Inline Feedbacks
View all comments
PAGE TOP