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Mac mini 2018はどこまで「Pro」なのか?

Appleによる新型Macの発表から数日が経った。アップデート内容はMacBook AirMac miniが中心(MacBook ProはBTOオプションにRadeon Pro Vega 16/20が追加)だったが、そのMac miniの進化の度合いが歴代Macの中でも大きいと感じた。

動画の配信から少し時間が経ってしまったが、今回はそんなMac mini 2018を見ていこうと思う。

グレード&BTOによって大幅に変動するスペック(と価格)

モデルチェンジに伴いカラーリングが変更、iMac Pro同様スペースグレーになったMac miniだが、基本的に見た目はそれ以上の変化はない。となれば語ることはスペックのことになるわけだが、4年振りのモデルチェンジともなるとその差は相当なものになっている。

BTO画面

画面は上位モデルのカスタマイズ画面。選択肢の幅、というか価格の幅が非常に広い。CPUやメモリのカスタマイズはもちろん、可能であれば10ギガビットEthernetも追加したいところ。

2018モデルにはグレードが2つあり、1つはクアッドコアのCore i3(クロック周波数3.6GHz)を積んだモデル(税別89,800円)と、ヘキサ(6)コアのCore i5 (クロック周波数3.0GHz)を積んだモデル(税別122,800円)となる。

どちらもこれまでのMac miniという枠組みからは外れた価格設定だが、CPUの大幅な高性能化にフラッシュストレージを標準搭載としてきたことなどを考えればしょうがないのかもしれない。

Geekbenchによると最廉価モデルですらシングルコアで4666ポイント、マルチコアで13751ポイントと2014モデルからケタ違いに進化していることが分かる。ちなみに、マックスまでカスタムした場合のスコアはシングルコアで5655ポイント、マルチコアで23990ポイントというトンでもなスペックになることには大注目だ。

さて、ベースモデルからしてすでに高額な今回のMac miniだが、Appleのサイト上でカスタマイズ(BTO)していくとさらに価格は上乗せされていくことになる。特に価格に影響しているのはメモリ(これは意外だ)とフラッシュストレージだが、どちらもマックス仕様にすると15万円以上上乗せとなるため余程の目的がない限り選ぶ人はそういないだろう。

CPUはデスクトップ用第8世代Core iシリーズ

今回のMac mini、CPU性能の大幅な向上が目玉のひとつなのは間違いないが、このCPUはどうやらデスクトップ版のようで、そう考えればベースクロックの高さに合点がいく。ただし、そうなるとMac miniの小さな筐体でどこまでそのCPUを冷却することができるのかという疑問に思っていたが、Appleとしては新たに開発した冷却システムで十分だと考えているようだ。
この部分に関しては実際の長期運用レポートを待つしかないが、昔からのMac miniユーザーである僕からすれば「そんなシステム作れるならもっと昔から採用しとけよ」と言いたくなる。

唯一の欠点はグラフィック性能

超高速なフラッシュストレージに大容量メモリ搭載可能、そして現行Mac Proに届かんばかりのマルチコア性能を持つMac mini2018だが、そんなMac miniにも「低性能なGPU」という泣き所がある。

過去のモデルで何度かノート用のディスクリートGPUを積んだことのあるMac miniだが、今回のモデルでは熱問題もあってかiGPUのみの採用となっている。
それでもIrisシリーズを積んでいるモデルであれば例えiGPUだとしてもそれなりの性能があるためグラフィック性能を駆使する作業(一般的にはゲーム。業務的には映像制作など)には何とか利用できるものの、コチラのページを見てもらえば分かるようにIntel UHD Graphics 630のGPU性能はとにかく低く、僕の用途、つまりグラフィックや映像制作には到底使えないことは確実だ。

Mac mini + eGPU = Mac Mini Pro

その小さなボディに現状考えられる最高のスペックを詰め込んだMac mini・・・と思いきや、グラフィック周りに大きな欠点を抱え込んだこのマシン。実はちゃっかりeGPU(外部GPU)で補強できる。

具体的にはThunderbolt 3を介してサードパーティーから発売されているeGPUを接続することによってグラフィック性能を飛躍的に向上させることが可能で、Appleはそれを考慮した上で今回のMac miniの仕様を決定しているのは間違いない。

Apple Store内での「Blackmagic eGPU Pro」紹介ページ。内蔵しているGPUはRadeon RX Vega 56となる。

さて、そんなAppleの思惑は置いておくとして、外部GPUの選択肢はいくつかあるものの、個人的にはやはりいつもお世話になっているBlackmagic Designさんの「Blackmagic eGPU Pro」が鉄板だろうと考えているが、ここで上のグレードを選ぶと税別149,000円・・・試しにBTOで自分好みの構成にしたMac mini(CPU:3.0GHz×6core, メモリ:64GB, ストレージ:512GB, 10ギガビットEthernetで合計が税別309,800円)にこのeGPUを追加するとなるとおよそ460,000円、税込で計算するとほぼ500,000円となり、こうして初めてMac Miniは性能的・価格的に「Mac mini Pro」となるのだ。

久々のモデルチェンジで心躍る人は多いだろうが、今回のMac mini(Pro)はあまりにも沼が深過ぎる。

Mac miniとBlackmagic eGPU Pro(とモニター)。この構成なら余程の案件でない限り安心して取り掛かれるハズだ。

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