Affinity Publisher、ついにリリース。

6月19の深夜、ようやくというかついにリリースされたSerifのDTPアプリケーション「Affinity Publisher」と、ほぼ同時期に配信されたAffinity Liveの中で発表された「StudioLink」。このふたつでAffinityシリーズはどう変わるのか。

特定の条件を満たせばAffinity Designer/Affinity Photoの(ほぼ)全ての機能を使用可能!強烈な編集体験を実現するStudioLink

まずはじめに、そもそもAffinity Publisherがどういったアプリなのかというとアドビ製品でいうところのInDesignと同様に、主に雑誌や書籍を編集するためのアプリということになる。
Affinity Publisher含め現状縦書きや禁則処理に対応していないSerifの製品群だと国内市場で組版用としては到底業務で使えるものではないが、現在Affinity User Group JAPAN(以下AUGJ)ではStocker.jpのなつきさんによるモックアップ作成のためのツールとしての活用法を調査していたり、別のところだとゲームのUI制作にAffinity Publisherを活用しているという動きも見られるなど、リリース直後とは思えない活発な情報が飛び交っている。

僕としてはもともと縁遠かった長文のページものは追々習得していけばいいと考え、まずはAffinity Designerと同じような用途(ペラモノ制作など)に使用した際にどんな手応えが掴めるのかを試してみた。

まず、これはβ版を使用していた時から分かっていたことだが、Affinity PhotoやAffinity Designerとは明確に違う部分がAffinity Publisherにはあって、それがペルソナの種類だ。

ゆがみペルソナや現像ペルソナなど、あくまでも固有の機能群をセクション分けして並べているAP/ADとは違い、Affinity Publisherには「写真ペルソナ」「デザインペルソナ」のふたつ、それもアイコンがAD/APのアイコンそのものになっていたことは一部で議論されていたようだが、その機能はβ版では利用することはできずにいたこと、そしてその機能の詳細をSerifが発表していなかった(もしかしてしていたのかもしれないが日本語ソースによるサイトでは見当たらなかった)ことなどから正式版のリリースを待つしかなかった。

その機能の全容が明かされたのはAffinity Publisherリリース後からおよそ2時間後、Affinity Liveの中で、「StudioLink」という名称で大々的に発表されてからのことだ。

これはどうやら(※本記事執筆時、日本語ソースがほぼない状況のため事実とは違う記載がある可能性があることを断っておく)Affinity Publisherを起点としてAD/APを「行き来することなく」その(ほぼ)全ての機能を利用できるもののようで、Affinity Publisher内で組版からそこで利用するイラストや各種オブジェクトなどといったグラフィックの制作、写真の加工までと、ことDTPに関するほぼ全てのことを完結できてしまう、僕的表現でいうと「Affinity PublisherをDTP版DaVinci Resolve」足らしめる強力な機能のようだ。

ただ、この機能はAffinity Publisher単独のものではなく、AD/APを購入した状態でないと利用できないということなので、密にリアルタイムでお互いのアプリ間でデータをやり取りしているのか、はたまたAffinity Publisherに元からある機能を購入アプリに応じてロック/アンロックしているだけなのかは判別できないが、とにかく「Affinityシリーズを全て購入すればAffinity Publisherからその(ほぼ)全ての機能を引き出せる」ことは間違いない。

さて、なぜこれまで何度となく(ほぼ)全ての機能〜と表記していたのかというと、Affinity PublisherからAD/APの機能にアクセスはできてもその全てを利用することは現状ではできないためである。

具体的には各アプリ内にある各ペルソナの機能にはAffinity Publisherからはアクセスできない。それを利用するためにはこれまで通りメニューから各アプリに飛び、そこで目的のペルソナに移動して編集してやる必要があるが、編集後にそのアプリからAffinity Publisherに戻るための方法は提供されておらず、ドキュメントを一度閉じてそれを再度Affinity Publisherで開いてやるという面倒が発生することになる。なぜこういう仕様にしているのかは分からないが、かなりチグハグなもののように感じる、この部分はなるべく早いうちに修正されることを期待したい。

AD/APの母艦としてのAffinity Publisher。来年以降にはiPad版もリリース!?

以上のように(全てのAffinityシリーズが揃った状態での)Affinity Publisherの編集能力は相当に協力で、正直このアプリ単独で済ませることのできる案件は(日本語入力には問題があるとしても)それなりにありそうだというのが正直なところだ。勘違いしないで欲しいのは、印刷物に対して利用するというのではなくモックアップやweb制作の現場でということである。今後日本語への対応が改善していけば印刷物に対しての利用も期待できるかもしれないがそれにはまだまだ時間がかかるだろう。

これまでSerifはDTPのための主要なツールとしてAffinity Designer/Affinity Photo、そしてAffinity Publisherを順にリリースしてきたが、全てが揃った今、それらのスイート製品を統括するのはAffinity Publisherということで間違いなさそうだ。まだ細かい不具合やStudioLink自体の完成度も完全ではないが、これまでのフローに慣れ親しんでいたクリエイターの目を覚まさませるほどのインパクトがあったのは間違いない。今後の改善と進化に期待せずにはいられない、Affinity PublisherはSerifらしい、驚きとワクワクに満ちた期待のプロダクトだ。
さらに、Serifからの発表によるとどうやらAffinity PublisherのiPad版も2020年以降のリリースを予定しているようで「とことんやるな」と思いつつもやはりそこにも期待せざるを得ない。

Affinity User Group JAPANミーティング #1開催の案内

ここでひとつ告知をさせてもらいたい。7月19日になつきさんの所有されている会場を使わせてもらってAffinityシリーズの勉強会を開くことになった。
スポンサードを受けていることもあり参加費は無料。詳細は下記にあるがご興味あれば是非参加していただきたい。

イベント紹介ページ(コンパス)
https://stocker-jp.connpass.com/event/136755/

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