高性能なディスプレイを販売していることで有名なEIZO。そのEIZOのラインナップの中でハイエンドラインに位置する「CG319X」の後継機となる「CG3100X」が発表されました。

気がつけばCG319Xの発売から7年も経過、2年ほど前から次のモデルがどれくらい進化するのかと楽しみにしていましたが、ほとんど変化のないマイナーなアップデートで拍子抜けでした(知人がその筋の人に聞いたところによると「様々な要望はあるけどそれらをEIZOが定める厳格な基準を満たした上で開発・発売することが難しい(のだろう)」とのこと)。
過去にCG318-4Kを使用していたこともあってそろそろ(高品質な)外付けモニターが欲しいと考えていたため、ちょうどいい機会とばかりにDaVinci Resolveの使用に特化した理想のデスク周りにおける制作環境をStep2運営チームの力を借りつつ思案・視覚化してみました。
もちろん、思案するだけではなく実際に環境を構築することを目指しています。なお、CG3100Xが発表される前まではASUSが発表していた8Kモニターの「ProArt Display PA32KCX」を狙っていましたが、ややオーバースペック気味なのと肝心の色の表現力や安定性に少し不安があったため選択肢から外しました。
気がつけばかさばる機材たち、取捨選択は慎重に
さて、まずは僕が外付けモニターを中心としたデスク周りを強化したい理由と、理想とする環境について箇条書きで説明します。
理由
- DaVinci Resolveを 使ったカラーグレーディング環境を快適にしたい
- 業務としてカラーコレクションやカラーグレーディング(web〜テレビコンテンツを対象)を専門に扱うサービスを展開したい
理想の環境
- メインディスプレイをCG3100Xとしたデュアルディスプレイ環境
- 通常利用時はCG3100Xのみのシングルディスプレイ、カラグレ時はCG3100Xをモニタリング用に、そこに追加で操作画面を表示するためのデュアルディスプレイに
- DaVinci Resolve利用時とその他のツールを使用時で「物理的に」場所を変えたい(理由は後述)
次に僕の制作環境、というかデスクについて説明しておきます。
僕が利用しているのはイケアで購入した横幅1.6m、奥行き80cmの大型のものを横に3枚繋げ、そこに同じものをL字になるよう配置した大きめのデスクとなります。
横幅・奥行きともに十二分なスペースを確保できますが、ここに「DaVinci Resolve、特にカラグレのための環境」と「写真やグラフィック制作のための環境」のふたつを構築したいと考えています。
その場合、Editor KeyboardやMini Panelなどの「それなりに大きな機材」同士の干渉を避けるためにお互いの環境は物理的に別々のものにせざるを得ません。それ自体は別に問題ないんですが、その距離を可能な限りなくしてお気楽に作業を行き来できるようにしたいところです。
最初はデスクトップ型のMacを購入して完全に分離してしまおうかとも考えましたが、微妙なラインナップしかないデスクトップ型のMacシリーズを今買うのは得策ではありません、M4ないしはM5 Ultraを積んだMac Studioの登場が待たれます(M3 Ultraのアレは…いらないかな)。
ということでまずはざっくりとしたイメージをもとにこういう構成にしようと考えてみました。

セカンドディスプレイやMini Panelなどは使用しません。

椅子は左に移動させMini Panelの正面に陣取ることを想定したレイアウトになっています。
立てたMacBook Proが邪魔になりそう。
上図にはまだ僕が所有していない機材(Media Player 10GやD3V、サブディスプレイのASUS ProArt PA279CRVなど)がありますが、環境構築の際はそれらも購入するつもりでいます。
この構成にすると通常使用時はCG3100Xをメインディスプレイに、グレーディング時には椅子を左に移動し、それに合わせCG3100Xはクルッと回転させてやると操作画面を表示したProArt PA279CRVが正面に、CG3100Xがモニタリング用のディスプレイになります(この時はCG3100X側の表示をMedia Player 10G側からのHDMI入力に切り替え。こうすることでMac側のカラーマネジメントなんかをスルーした正確な色を表示することができます)。
最初は「これはイイ!」と思ってたんですがStep2運営チームに見せると様々なダメ出しが…。
モニタリング用のディスプレイは正面に
いくつかのダメ出しという名のアドバイスをもらいましたが、中でも参考になったのは「正確な色を表示することができるモニタリング用のディスプレイは正面に持ってきた方がいい」ということと「波形のみを表示するための超横長のディスプレイを追加するといい」ということでした。
たしかに、言われてみれば作業中はあまり見ることのない操作画面(Mini Panelで多くの作業をダイレクトに行えるため操作画面に頼ることが少ない)が正面にくるより最終的な色合いを確認するためのモニタリング用のディスプレイが正面にあった方が明らかに合理的ですし作業時の負担も少なく済みそうです。
それらアドバイスを元に再考しブラッシュアップした構成イメージがこちら。CG3100Xをモニターアームに設置することでレイアウトの柔軟性を高めることにしました。

モニターアームでCG3100Xの可動範囲を広めるのと同時にふたつの環境の距離を極力詰めています。

Mini PanelとCG3100Xが正面になり、左手に操作画面を表示するサブディスプレイがくるようにしています。
ここで最初の案にあった機材からいくつか増減しています。
モニターアームは前述した通りですが、それ以外にはワイヤレスマウスをなくし、ITPROTECHから発売されている「Screen Plus」という超横長の 4Kディスプレイを追加。これをMini PanelとCG3100Xの間に配置(カラグレ作業時)し、ここにDaVinci Resolveの波形情報を表示すると便利だよ!というアドバイスに従って加えてみました。
ここまで高解像度のディスプレイをいくつも接続するとMacBook Pro側の負荷がどの程度のものになるのか気になるところ。
それからThunderbolt接続のハブであるCalDigit TS4も追加していますが、これはコネクタ数の限られたMacBook Proの制限を緩和するのが目的です。
この構成ならきっと快適な制作環境になるハズ、多少費用はかさみますが「ドヤッ」と胸を張れるレイアウトになったかと思います。
実現すれば快適、しかし真の理想には程遠く…
ここまで淡々と書いてきましたが、このアイデアを思いついてからカタチにするまでおよそ2日間を丸々使っています。
その間Step2運営メンバーである松尾さんや小町さんに多くの質問を投げかけ、そのたびにありがたいアドバイスをもらいとても助かりました(この場を借りて感謝!)。
ここ5年ほどはラップトップMacのみという制作環境だった身からすると実現すれば驚くほどの進化になるわけですが、ほんのり目指している真の理想は450万円ほどもするAdvanced Panelを中心としたハイエンドな制作環境。
今のデスクの広さなら設置すること自体は問題になりません、あとは稼いで資金を貯めるのみですがさすがに先はかな〜り長そうです。
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グラフィック制作・PVやYouTube用の映像制作をやりつつ、YouTubeでのチャンネル運営サポートやコンサルティング、勉強会といったことを扱ってます。
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