「次期Mac Proが搭載する予定だったM2 Extremeの開発を断念してM2 Ultraのみの構成になる」- これはBloombergの記事で知った仰天ニュース、「次期Mac Pro絶対買う」を公言している僕としては天を貫かんばかりの大衝撃で噂が間違っていることを願うばかりでいる。
期待外れだったM1 Ultraチップ?
M2 Extreme(と呼ばれるようになるであろうチップ)を断念した理由としては製造上の複雑さやコストにあるとされているが、用は「歩留まり(生産された製品でその「良品」の割合を指す。せっかくチップが出来上がっても不具合があると当然販売できない)」が問題になっていると思われる。M1 Maxチップをふたつ「繋げた」ものがM1 Ultraだったが、このSoCのサイズはかなり巨大になっていた。ただし、Maxチップを作ることができればUltraチップに仕上げることはそれほど難しいことではないと考えれば、単体のチップでUltraチップの倍かそれ以上の性能を誇るとされているExtremeチップを(販売できるレベルで)組み上げる作業の難易度は遥かに高いことが予想される…のは分かっていたが、まさかここにきてのキャンセルの噂…ただでさえ遅れに遅れているMac Proだけにそれなりに信憑性があるように思える。
で、代わりに搭載されることになりそうなM2 Ultraだが、最大24コアのCPUに76コアのGPU、メモリが192GBになるとされている。数字だけ見ると十分以上の性能であるのは間違いないものの、僕はこのUltraチップ自体にあまりいい印象を持っていない。
というのも、海外ではそれなりに話題になっているようだがM1 Ultraチップが数字ほどのパフォーマンスを発揮しないシーンが多々あるためで、M1 Maxとほぼ同等か少し上程度といったものはザラで、場合によっては無印M1にすら負けているといったテスト結果もある(この場合は多分ソフトウェア的な問題だと思われる)。
このことをBlackmagic Designの岡野さんに確認してみたが、どうやらDaVinci Resolveでも同様の結果が出ているのか開発陣も困惑しているとのことだった。
果たしてこれがソフトウェア側の問題なのかどうなのか、それであれば今後の改善が期待できるものの、もしハードウェア上の問題であるならもはや仕様ということになるが、この後継になるであろうM2 Ultraが同じ問題を抱えているのであれば購入対象には入り辛いというのが正直なところ。
購入、業務、ブランディング…予定変更の数々
そもそもの話に戻るが、今回の噂(という記事)が的中しているとなると購入を検討していた僕にとっては本当に辛い。順当にMac Proが登場されていればCPU・GPU・メモリは最上位グレードにカスタマイズし、これとセットでディスプレイはPro Display XDRの後継機をチョイスするつもりでいたからだ。
これは当然業務で今必要と思えるスペックを満たせるという理由だけでなく、今後数年間を見通した上での選択でありブランディングも兼ねたモノだったが、このM2 Extremeがキャンセルされたとなると話は全く変わってくる(M2 Ultraを選択する必要性がない)。
意外に振るわないM1 Ultraチップの後継機(M2 Ultra)を載せるとなっても性能はせいぜい1.4倍程度の向上に留まるであろうから、それでWindows機に対してアドバンテージを保つことなどできるハズもない。M2 Extremeの予想されていたスペックをもって初めてそれができた「かもしれない」ぐらいのものだったのに、これをキャンセルするとなれば多くのハイエンドユーザーから見放される可能性は大いにあり得ると考える。
僕はというと、そんなMac Proであればわざわざ大金をはたいて購入する理由はないのでM2 Maxを搭載したMacBook Pro 16インチモデルあたりを購入する予定に切り替えようか少し悩み中、さてどうするか。
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