いよいよAppleシリコンを搭載したMacが登場した。リリースされるのはMacBook Air、MacBook Pro 13インチモデル、そしてMac miniの3モデルとなる。
いかにもAppleらしい発表イベントで、低価格帯は大方登場したものの、中〜高価格帯の機種が登場していないためM1チップの実パフォーマンスを測ることは難しい、といいたいところだが、紹介イベントの端々でM1チップの果てしない性能が垣間みえた。
消費電力はほどほど、性能については予想の範囲内ながらも未知数
今回の発表会に関してはリアルタイムで確認していたものの、眠気もあり完全には発表会の内容を把握しているわけではない。ただ、そんな状態でもイベントを通してM1チップのGPU性能についてかなり気になる箇所があった。
なぜかこの箇所についてはAppleの公式サイトには表記が見当たらない(良く探せば見つかるのかもしれない)が、M1チップのパフォーマンス表記に「ピクセルレート=85GPixel」とあったのですぐに調べてみたが、僕の見間違いでなければその数値は現行最上位のGPUであるAMD Radeon Pro 5600Mよりも遥かに高性能(5600Mは65.92GPixel)となる。
もちろんこの数字だけをもってM1チップのGPU性能が5600Mよりも高性能とはいえないが相当に型破りな性能といえそうだ。実際問題DaVinci Resolveを使っての8K再生も可能としているようでとにかく期待がもてる。
※もしDaVinci Resolveがネイティブで動作していない状態での8K再生だとしたら、Rosetta2の出来もそうだがM1チップの素性の良さがより輝くことになる。
追記。情報サイトを見ているとM1チップに積まれているGPUの性能は2.6TFLOPSだということがわかったが、この性能は現行のMacBook Pro 16インチモデルの最下位グレードのそれとかなり近いスコアとなる。
初期モデルでこのスコア…新世代のMacBookは本当にバケモノだった。
次にCPU性能について。これはAppleの説明の中でしきりとワットパフォーマンスについて強調していたが、「倍々ゲームのオンパレードだけど、どうせワットパフォーマンスの比較だろうからピーク性能のことじゃないんだろう」と考えてはいる…ものの、MacBook Airの紹介ページ下部にある比較対象に関する注釈部分を読むと、あながちそうでもないらしい。少なくとも前モデルの上位モデルとの比較ということでやっぱり相当なバケモノなのは間違いなさそうだ。
今後はディスクリートGPU搭載モデルとの差別化に注目
と、ここまでイイコトばかりを書いてきたが不安、というか疑問視している部分もある。
それは別にネガティブな意味ではないが、冒頭に書いた中〜高価格帯の機種が登場していないということと、パッケージング面で見て、各モデルの差別化が難しいのかほとんど差がないように見えてしまうという2点だ。
SNSではメモリの最大搭載量を不安に思っていると思われる書き込みも見られるが、まあ一般の方に影響が及ぶような話には思えないので初号機としては十分だと考えている。スマートフォンと同様のユニファイドメモリを採用しているためと思われるが、今後このメモリ容量に関する問題をどう解決していくのが気になるところだ。
さて、ハイエンドのマシンに関してはこれまでコア数の増加だけでなくディスクリートGPUの搭載による大きな差別化が図られていたこともあり、今回の発表にあったような派手な対比は難しいかもしれない=M1チップの高性能版、例えばM1Xシリーズが登場するのか、それともデュアル、もしくはそれ以上のマルチコア構成のマシンを出せるのか、さらにいえばディスクリートGPUに代わるなにか強力なソリューションを用意しているのかなどなど、色々な考えが浮かんでくる。M1Xは可能性が高そうだが次なる注目点は16インチモデルのMacBook Proが登場する時ということなのは間違いなさそうだ。
パッケージングでは、以前のエントリーでも書いたが、CTOの構成はシンプルになり、各モデルの各グレードの差別化が曖昧になっているように見える。今後徐々に構成の幅は増えていくと思われるが個人的にここらへんもとても興味深く、見守っていきたいと考えている。
最後に、価格が思ったよりも下がらずにそこだけガッカリ。あと1割くらい安ければ、と考えてしまって仕方ない。
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