2019年3月5日、Blackmagic Designのサポートページより「Blackmagic Camera 6.2アップデート」がリリースされたことにより発売から半年近く経過したBMPCC 4KにもBlackmagic RAW(.braw)が扱えるようになったが、今回はそんな.brawとこれまでの収録形式であった.dngを画質だけでなく作業負荷や処理速度という点も加えて比較してみることにした。
リリースされたBMPCC 4K用.braw。消えたCinemaDNG RAW
.brawの素性の良さはBlackmagic DesignのCEOであるグラント・ペティ氏の説明と特設ページでの解説である程度は知っていて、その.brawをBMPCC 4Kで使えるようになる日を祈るような気持ちで待ちわびていた身としてはすぐにアップデートし晴れて僕のBMPCC 4KでもBlackmagic RAW(.braw)が扱えるようになった。
ここで少し気になるのはBlackmagic RAWが使えるようになるのと引き換えにこれまで利用できていたCinemaDNG RAWでの収録ができなくなってしまったことだ。ここらへんは十分予測できることではあった(パテントの問題だと考えていた)が、BMPCC 4Kでスチル撮影をするとそこでは相変わらずCinemaDNG RAW(非圧縮)で収録されるあたり、ただ単純にメニュー画面を煩雑にしないためだったのかもしれない。
.brawでより身近になった『RAW』
動画の方では画質の違いから作業負荷、レンダリング負荷などを比較しているが画質の違いはほぼなく(一部ではノイズが減ったという報告があるがこれは多分.brawの処理フローが変わったためだと思われる。僕の方では目に見えて変化のあるようなクリップはなかった)、それでいて使用容量をこれまでの半分以下に落とせたり、わずかながらも作業負荷を軽減させてくれるということが分かった。
動画内では言及していないが今回の件で何気に助かったのは「Blackmagic RAW Player」というプレーヤーでのリアルタイム再生で、.dngや.mp4などの4KデータをQuickTimeで再生するとリアルタイムで再生できなかった(.dngはそもそも再生不可)ものが、このBRAW Playerなら一瞬で立ち上がった上にリアルタイムで再生できる。.braw以外の形式は再生できないものの、これまで.dngの確認作業に時間を取られていただけにかなり嬉しい出来事だった。
.brawが扱えるようになってから2ヶ月と少し経過した今、その.brawで収録した映像素材はかなりの数になるが、「RAWそのもの」なデータとぐっと小さくなったデータサイズのバランスにはとても満足していて、今では僕が運営しているYMRchannelでの収録形式は余程のことがない限り全て.brawで収録するまでになっている。RAWの扱い含め、まだまだカラーグレーディングの技術は足りないが、これからどれだけの映像を生み出せるのかが楽しみでしょうがない。
グラフィック制作・PVやYouTube用の映像制作をやりつつ、YouTubeでのチャンネル運営サポートやコンサルティング、勉強会といったことを扱ってます。
割とヒマな人、2019年頃にアドビ製品を全部絶った「脱アドビ」を達成。
映像制作やYouTube、動画マーケティングなどに関する情報を配信中。